※ 難民という表現は如何なものか、という認識はありますがご了承下さい
もらった小遣いを自分で自由に使えるようになったのが10歳の頃だったと思うが、そこからアラフォーの現在に至るまで、自分はずっと財布難民だという自覚がある。
覚えている限り、自分がどんな財布を使っていたかを思い出して書こうと思う。ただ当然ながら 30 年前の記憶をたどるゆえに、まったく同じものは探しようがないし、思い出なので正確性も担保できない、そこだけ了承されたい。
10〜12歳
西暦でいうと1991年(平成3年)くらいなので、もれなくこういう感じのやつだったと思う。小学生身分なので基本的に小銭しか持っていないし、レシートの運用などもしていないので、これで十分なのである。
当時は「100円玉をいかに持っているか」というのが重要なポイントであった。1000円札よりも100円玉10枚のほうが嬉しいというアレである。
これはこれで機能的には何の過不足もなかったが、中学生になるにあたり「やっぱりこれじゃちょっとなぁ」という思いが漠然とあった。
12〜15歳
中学生になってくると、先輩が使っている財布がこういう厳つい(当社比、当時代比)ものだったりして、そういうのにまんまと影響されて使い始める。
このハーレーダビッドソンには確かもうちょっと安いモデルがあって、小銭も札も大して入らないのだが、そのぶん5000〜6000円くらいで買えるというラインナップがあった気がする。で、それを両親に買ってもらった記憶がある。中学生が持つ財布にしては高い気もするが、丈夫だったので元は取ったと思う。
地方にもコンビニが台頭しはじまった頃ではあったが、中学生身分なのでそこまで普段買い物をするわけでもなく、行くとしても近所の雑貨屋とかその程度しかなかったので、まだこれで十分ではあった。
今思うとこれはバイカー用の簡易的なウォレットで、ヘルメットを被ってチャリンコに乗る中学生にはミスマッチも甚だしいのだが、まあまあ気に入ってはいた。収納力の低さを除いては。
16〜19歳
高校生になると学校生活や登下校の環境が変わりテレホンカードなどを使うことになった。そうなるとそれなりに機能性が必要になってきたため、そういうのに不便がないものを選んだ(これも買ってもらった記憶)。
高校生なので、前述のハーレーダビットソンのように「財布然としたもの」を見せびらかしているとカツアゲされるらしいという噂もあり、物理的に目立たないものを選んだ記憶がある。あまり治安の良くない場所だったので、ゲーセンでは小銭を予めポケットに出しておき、財布そのものを極力出さないなどの細やかな運用をする必要があった。
これはこれで気に入っていたのだが、3年使うとさすがに飽きてきたし、小銭入れのジッパーが壊れるなど物理的な限界も見えてきた。
19〜24歳
高校を卒業後、専門学校生を経て社会人となるわけだが、高校卒業を機に運転免許証やキャッシュカードなどカード類をさらに運用する必要が生じたこともあり、はじめて「自分で選んだ財布を自分で買う」ことにした。
ヴィレッジヴァンガードで買った記憶がある。価格は 5000 円くらい。
高校卒業後も、高校で使っていた財布はしばらく使っていたが、なんかのタイミングでこれに換えた記憶がある。自分で買ったということもあり、わりと長く使っていたのだが、飽きてきたので替えようと思ったのだろう。
このころ「吉田カバン」がブームとなっていたので、フェイス右下にステッチロゴがあるのがおしゃれだな、というのを意識していた記憶がある。
24〜26歳
無印良品でヌメ革の二つ折り財布(左側)を見たときにビビッときて買った。価格は確か 6000 円くらい。
買った状態では肌色だが、使い込むと味が出てくる。商品自体は既に廃盤になってしまったのもあって、手元には残しており、自宅を探せば見つかると思う。
成人して社会人として働くにあたり「成人っぽい財布」を探したらこれに行き着いたという感じである。ラーメン屋によく行っていたので、使い込んだ表面が脂でテカテカにコーティングされ、それなりに長持ちはしたのだが、きちんとした手入れをしていないせいか使い込んだ感じがなんとなく汚く不衛生に感じたので、替えることにした。
26~30歳
この頃に「財布難民」という言葉を知り、じゃあ自分も財布難民じゃん、ということをそれとなく自覚しつつあった。いろんな財布を試しては「違うな、これじゃないな」とやる日々を過ごしていた記憶がある。
一時期、本当にドツボにハマってしまって「もうジップロックで良いんじゃないか?」みたいなことを考え、ジップロックを使ったりもした。イージージッパータイプのやつが結構便利だったが、紙幣が入っていないと自重を支えられないあたりが不便すぎたのと、会計時に取り出すと二度見されたりしたので、やめた。
験担ぎとして、基本的に使った財布は捨てないのが主義なのだが、この頃に試した数多の財布はどうやら捨ててしまったらしい。そういう意味でも割りとしっかりめに財布難民であったといえる。稼ぎもあんまりよくなかったのに、財布ばっかり買っていたような気がする。
31~35歳
私生活でもなんだかんだあり、そろそろ結婚しますとなった段で、財布もしっかりブランドを決めて選ぼうという機運になり、そのようにした。吉田カバンは夫婦で好きなのも決め手の一つだった。
この頃は MonoMax など雑誌の付録についてきた財布をとにかく収集しまくっていて、ある程度の種類のものは揃えたのだが、それでも財布難民と言っているのだから、我ながら始末が悪い。
まだそこまでカード類は多くなかったが、子供も生まれ、保険証などもカード化し、クレジットカードやポイントカードなど色々と増えてきたので、もうちょっと収納力があるやつにしないとなぁ、と思った。
36~40歳
ブランドが固定されていると選びやすいというのはある。単純に手触りや収納力、利用シーンなどで選んでこれにした。
仕事で使うにはいいのだが、色が真っ黒なので、プライベートでこれを使っているとなんとなく違和感があった。
そもそも財布を一つに絞らなければいけない、という考え方をやめたのはこの頃で、いくつ持っていてもいいし、小銭入れとかが別にあってもよい、という考え方にした。一つのものをずっと使うというのもストイックで憧れるが、自分にはそれは無理そうなので、このようになるのは必然だったと言える。
収納力があるのはそれはそれでいいのだが、キャッシュレス化が急速に進んだこともあって、財布自体をそこまで持ち歩かなくなった。カード数枚と紙幣、あとは小銭がちょっと入ればよく、しかしジッパーは手間なのでジッパーのないもの、という具体的な探し方をすることにした。
41歳
今はこれを使っている。友人からSNSでおすすめされたもので、とにかく小さいが、カード・小銭・紙幣がまんべんなく入る。
紙幣は財布の尻部分に沿って滑り込むようなかたちで、見事というほかない。タイベック素材というのも非常に惹かれるものがある。ベロはマグネットで固定されるのも面白い。小銭入れには Apple AirTag を入れている。
これから
これからもきっと財布難民として、色々な財布を試しながら、やっていくのだろうと思う。未だに雑誌の付録もチェックするし、通販サイトも、なんなら紙の通販カタログなども割りとチェックしている。思いもよらないような財布があればぜひ試してみたい。
もう少し機運が高まれば、海外にも手を伸ばしてみようかと思っている。