バリバリ財布とは
マジックテープ or ベルクロ or 面ファスナー or クイックロンでもって、二つ折りに省サイズ化するタイプの財布というのがあり、おおむねネットでは「バリバリ財布」などと呼ばれている(以下マジックテープのことを「バリバリ」とする)。
ネットでは「TPOをわきまえない成人男性がそこかしこで使ってひんしゅくを買うやつ」という文脈で語られることが多いが、財布難民的にはこれをナシにしてしまうとタダでさえ苦しい選択肢が更に苦しくなり、余計に難民化が進んでしまうので、必要以上に邪険に扱うことはしないようにしている。
が、中には「このバリバリ財布をアリにするかナシにするか」で悩んだ結果、難民化してしまう人がいる、というのも財布難民におけるあるあるの一つだ。自分としてはバリバリ財布が良いのに、バリバリのせいで封じられてしまう、というやつ。
アリかナシかについては、下記のサイトが参考になるので、掘り下げたい人は参考にされたい。
静音化の試み
そもバリバリは、繰り返し粘着可能というメリットは良いのだが、開閉音が悪影響となる状況で利用できないという、機能面でのデメリットが存在する。
つまりバードウォッチング、釣り、サバゲーなど、本来であれば活躍するはずのアウトドアシーンに向かなかったりするのだ。
自然環境下で静音を求める場面に向かないとなると、普段遣いはさもありなん。これについていろんな文献を漁ってみたところ、以下のような根本解決案を見つけるに至った。
- マジックテープのメス側(触ってチクチクしないほう)を軽く炙る
- マジックテープを殺した(メスに対してオスを貼った)うえでマグネットを仕込む
- マジックテープを殺した(メスに対してオスを貼った)うえでコードストッパーとコードで巻き閉じする
1. はたしかに静音化には寄与するし、コストがそれほどかからないのだが、粘着力が落ちてしまう。3. は良さそうだが、コードストッパーを使うと片手で解けなくなってしまう。
となると 2. がもっとも無難なところではないだろうか。
百円ショップで試作
とりあえず百円ショップで揃うもので試作してみればまぁわかるだろ、と思い、以下のような材料を調達してきた。
はめ殺し用のマジックテープ
メスに対してはオス、オスに対してはメスを用いる必要がある。縫製用だと粘着テープがついていないものがあり、単純にはめ殺すだけであればそちらのほうが良いのだが、今回は試作なので粘着テープありのものを選んだ。
セリアの場合、手芸コーナーの、リボンなどが売っている分かりづらいところにある。
工作用ネオジム磁石
どの程度の粘着力を期待するかによるが、財布の粘着部と考えればこれのどちらかという感じかと思う。昨今こういった磁石は何も考えなくてもネオジム磁石だったりするので、誤飲・巻き込まれによる怪我など、取り扱いに注意されたい。
セリアの場合、文具のマグネット周辺の棚にあった。
試作の土台になるバリバリ財布
セリアの場合、小物収納や財布などの棚にあった。
試作結果
試作は至って簡単である。はめ殺し用のマジックテープを小さく切り、そこにネオジム磁石を貼り付ける。
最初、はめ殺し用のマジックテープでネオジム磁石ごと覆ってしまえばいいのでは?と思ったのだが、このサイズの磁石だと、いくらネオジムとはいえ粘着力に欠けてしまうようだ。磁石を大きくするか、はめ殺し箇所の露出を工夫するか、どちらかかなと思う。
財布の場合、バリバリの接触面自体があまり大きくないので、コーデュラ生地などでバリバリをはめ殺しつつ、磁石を入れた状態で縫いつけるなどしてしまったほうが、かえって良いかもしれない(もはやマジックテープが関係なくなってはしまうが)。
こんな感じで試しに開閉してみると、粘着力 2.3kg と書いてはあるが、生地を軽くひっぱることで十分開閉が可能だし、粘着力もそれなりにある。音は磁石が接着するときの「パタッ」という小さな音になり、少なくともバリバリ音からは開放された感がある。
生地を隔てて磁石を配置できるのであれば、むき出し感がなくなって更に静音にもなると思うが、そのためには縫製が必要であり、今回はそこまではしていない。
まとめ
マジックテープの静音化として、マジックテープそのものを殺し、接着力について磁石を使うという方法は、それほど悪くない印象であった。
が、これは静音化ではなく、どちらかというと「マジックテープを使わない方法」なので、厳密には違うんだよな~。殺すところまでは間違いないと思うので、引き続きなんらかの良い方法がないかどうか、探求していきたい。