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Life and others

たぶん Steam ユーザには分かりやすい、ライトゲーマー向け Roblox 解説とススメ

schilverberch☆ROBLOX – ロブロックスでゲームを作ろう!

じょじょに日本でも知名度を上げつつある Roblox について説明していきます。

この内容は、

  • 大人(18~)
  • Steam などのプラットフォームを使ってゲームをプレイしたことがある
  • ライトゲーマーを自認している
  • 機種は問わず、いわゆるリアルタイムで、オンラインで、マルチプレイヤーなゲームをやったことがある

向けの説明です、なので上に当てはまらない人にはなんのことやら、となる可能性はありますが、まぁそのへんはご容赦下さい。

Roblox とはなにか

Roblox は、一言で言ってしまえば (Steam によく似た)「ゲームプラットフォーム」です。

Roblox(ロブロックス)は、ユーザーがゲームを作成、共有したり、他のユーザーが作成したゲームをプレイしたりできる、オンラインゲーミングプラットフォームおよびゲーム作成システムである。2004年にデイビット・バシュッキとエリック・カッセルが開発し、2006年にリリースした。このプラットフォームは、プログラミング言語Luaでコード化された複数のジャンルのユーザー作成ゲームをホストできる。 (Roblox - Wikipedia)

Steam によく似た、と表現はしていますが、

  • 基本無料でサクッと遊べる
  • ユーザが(比較的容易に)ゲームを作ることができる
  • そのゲーム内において(これまた比較的容易に)課金システムを使える

あたりが異なっています。

Roblox で有名なゲームとかあんの?

これは Rainbow Friends が鉄板かな~と思います。

SNSなどでこのキャラを見かけたことがある、という人も居るかも知れません。

Rainbow Friends がどんなゲームなのか、は色んなところに解説がありますので詳細は割愛しますが、手っ取り早く表現するなら「みんなで協力しながら進める、気持ちホラーな『迷路式おにごっこ』」といったところです。

Rainbow Friends で有名なのはちろぴの氏の実況動画かと思います。これだけで、だいたいどんなゲームなのか把握できます。

Poppy Playtime や Garten of BANBAN など、 YouTube での実況人気が高い、そこまで怖くないホラーゲームが昨今かなり流行っていますが、これはまた別な投稿で詳しく書きたいなと思います。

単なるマルチプレイヤーゲームプラットフォームでしょ?

ここまでの説明で、Steam でゲームをやったことがある人からは、おそらく↑のような感想が出てくるのではないかと思います。

それはゲームの種類、という点ではその通りなのですが、前述の通り

  • 基本無料でサクッと遊べる

というあたりが、既存のそれらとは異なっています。

Steam では、ユーザは各ゲームを購入(あるいはライセンスを入手)し、インストールし、必要であればアカウントを登録したうえで、ゲームを開始し、そのゲームにおいてマルチプレイヤーモードがあればそれを選択して遊ぶ・・・という一連の流れを取ることになりますが、Roblox は「起動して、ゲームを選べば、ただちにマルチモードで遊べる」というぐらい、プレイまでの手間がショートカットされています。

一部のゲームは重めのアセットダウンロードが生じますが、Roblox のゲームはプラットフォームの仕様に原則沿うかたちで作られており、顕著な「ダウンロード待ち」の状態がありません。光回線の速度があれば、スッとゲームをプレイできます。

どのくらいスッと遊べるのかは、この動画が分かりやすいです。YouTube の再生ボタンを押すぐらいのノリで、もう遊べちゃいます。別途プリダウンロードなどをしているわけではなく、Roblox アプリ※が入っているだけで、このくらいの手軽さです。

※ 基本アプリである Roblox アプリのみ、事前にインストールする必要があります。

ちょっとまって、めっちゃゲーム多くね?

はい、多いです。というのも、Roblox は

  • ユーザが(比較的容易に)ゲームを作ることができる

ため、

年間合計2,000万のゲームがRoblox Studioを使用して作成されている。(Roblox - Wikipedia)

なんて言説もあったりするくらいです。

公式からは Roblox Studio という IDE が配布されており、ユーザはこれを使ってゲームを作成できます。Lua 言語が利用できるため、それなりに細かく作り込むことも可能になっています。

個人的にはアバターの造形に統一性がない(リアルっぽいやつもいれば、レゴみたいなやつもいる)あたりが割りと面白いなと思っています。

簡単に課金システムを使えるってどういうこと?

さきほど、

  • そのゲーム内において(これまた比較的容易に)課金システムを使える

としましたが、これは Roblox のゲームを試しにどれか起動してみるとわかりやすいです。

どのゲームにもおおむねこのようなアクションがあり、気になるものに近づいてみると、このような表示が出て、買うか買わないかを選べます。

Roblox では Robux というプラットフォーム内通貨が採用されており、プレイヤーはこの Robux を使って Roblox 内の買い物をしたりすることができます。Robux の価格は、

  • 1Robux = 2円

となっています。以前は 1Robux = 1円 だったらしいのですが、円安の影響で値上がりしたとかなんとか。

で、ユーザは購入した Robux で、ゲーム内で有利なアイテムを買ったりすることもできますし、自分が作ったゲーム内のアイテムやアバターの衣装を人に買ってもらうなどして Robux を稼ぐこともできます。

で、稼いだ Robux は何が嬉しいのかというと、ゲーム内で再利用できるほか、米ドルへ換金できます。

つまるところ、いちプラットフォーム内で完結した環境で「ゲームを作って公開して稼ぐ」ことができるといえます。まあ、Roblox に限らず、人気ゲームを作るのは大変なことですので、絶対稼げるんですよ~とは言えませんが。

また Robux とは別に、各ゲーム内での通貨が別途ある、という多段構成になっている場合もあります。このへんが多少分かりづらいのですが、すぐ慣れます(Robux よりもゲーム内通貨の方が価値があるような場合が多い)。

ゲームがいっぱいあるって言っても似たようなゲームばっかりでしょ?

これは明確に YES です。例えば「Rainbow Friends」で Roblox のゲームを検索すると、こんな感じです。

アイコンだけが似ているが作者も内容も別物のゲームが列挙され、どれが本物なのか、もはや不明なレベルです。令和最新版アタリショックとも言えそうな勢いです。

通常のゲームプラットフォームであればこのような事態は非常にシビアなもののはずで、プラットフォーマーはこういった事態を積極的に収束せねばならない事が大半ですが、Roblox ではなかなかうまくいってなさそうな雰囲気です。まあ年間 2000 万件もゲームが作られれば審査が追いつかない、といった事情はありそうですが・・・。

利用規約にはデジタル・ミレニアム著作権法を遵守するようお達しがありますが、未成年のユーザーが多いという事情もあってか(2020年8月の時点で、1月のプレイユーザー数は1億6400万人を超えており、米国では16歳未満のすべての子供たちの半数以上がプレイしている 。Roblox - Wikipedia)、なかなかうまく解決に至っていないイメージです。

ただ、完全に野放しか?というとそうでもなく、明らかに著作権違反をしているようなものはスッと消えていたりもするっぽいので、今後チェック体制は拡充されていくのかな、と思います。まあ現状では黎明期の YouTube ぐらいのカオスさ、と言えば良いかもしれません。

※今のところ、明らかに著作権を侵害していると思われるゲームをプレイしたとしても、プレイヤー側にペナルティは無い模様です。

オンラインゲームって他人とのやりとりが苦手で・・・

おそらくオンラインゲームが苦手な人の理由の大半が↑これではないかと思いますが、Roblox はこれを以下のような手法でカバーしています。

  • 基本マルチプレイヤーゲームだが、そのゲームにいつ入っても、またいつ抜けてもいいようになっている(脱落ペナルティがない)
  • 他のプレイヤーと勝ち負けを競うようなゲームばかりではない
    • そういうのもあるにはあるが、少ない?
    • プレイヤー同士の当たり判定がそこまで厳しくない(なんならたまに重なったりしている)ものもある
  • チャットの存在が希薄
    • 普通にチャットで会話はできるが、あんまり一生懸命やっている人はいなさそうなイメージ
    • Rainbow Friends などチャットが有効利用できるゲームでは活発だったりします

これは Roblox でよくある「一つのゲームのプレイ時間が短いものが多い」か、あるいは「(マルチプレイヤーと言いつつ)基本的には自分ひとりで遊べるようなもの」が多いというところに強みがあると考えています(詳細なゲームについては後述します)。

また、そもそも全世界を対象にしたプラットフォームなのと、未成年が多いということもあって、会話がまともに通じそうだというコンセンサスが希薄という印象も受けます。ただ Roblox では幸いそれがうまく作用しているっぽく、そこまで荒れたチャットに遭遇することはない雰囲気です。

なので Roblox においては「コミュニケーション能力がめちゃくちゃ高くないと楽しめない」というゲームばかりではない、というのも白眉かなと。チャットを開かなくても、なんとなくでゲームを遊べます。

おすすめのゲーム教えて!

Rainbow Friends 以外のおすすめのゲームをいくつか紹介するまえに、前提を書いておきます。

  • 操作は PC であれば WASD + Shift(ダッシュ) + Space(ジャンプ) とマウスが基本です。
    • ほとんどのゲームはこれでできます。 
    • 操作難易度は多少上がりますが iPad などのタブレット端末にも対応しています。
      • ユーザが増えた要因はこれではないかと思われる
  • 極端な下ネタ、エロ、グロはほとんどありません。このへんはアメリカの企業らしく、それなりに遵守されています。
  • なので、ホラーもゴア表現に近いものはほぼないと見ています。
  • 名前が似ているだけでまったく違うゲームがあったりします。
  • ローカライズは、原則リアルタイム自動翻訳のような動きになっており、このため日本語がゴキゲンに崩壊しています。Steam ユーザなどにはおなじみの光景ではないかなと。

日本語の崩壊具合としてはこんな感じです(ゲームはファミリーシム系の Twilight Daycare)。もともと言語によらず遊べる想定のものが多いので、まあ漢字が読めれば大丈夫かなというレベルではあるかと。

以上を踏まえた上で、PC ゲーム歴だいたい 20 年のおれがおすすめするゲームを紹介します。

Don't Make The Button Angry

「ボタンを怒らせるな!」という名前ですが、中央のボタンをタッチしてボタンを怒らせるところから始まる、超ショートサイクルなミニゲーム集です。

Roblox の基本的な遊び方はほぼこのゲームに集約されているといってよく、このゲームを 30 分ほどやれば、だいたい Roblox の操作感がわかるようになっています。

Roblox の各ゲームにはチュートリアル的なものがなく、プレイするといきなりゲームが開始する場合が多いです。なので特に見定めずに始めると面食らうことがありますが、これをやっておけばとりあえずは大丈夫でしょう。

難易度は高めですが、クリアしたからどうこう、というのも特になく、また課金要素も薄いので、最初やるにはいいかなと。ゲーム内のコインを貯めると、ゲーム内のアイテムが購入できます。

すごくかんたんなオビー

原題: Ultimate Easy Obby

obby は障害物競走のことで、Roblox では頻出の単語になります。

これはおそらくですが「大半のライトゲーマーであれば、始まった瞬間になにをすればいいかがわかりやすい」タイプのゲームです。まあ obby という単語もそのものズバリではありますが。

オビーは色々ありますが、簡単なやつがあまりなく、これだと初心者にもうってつけかなと。課金要素も薄いです。ただ原色ピカピカのステージがちょっと目に痛い・・・。

床は溶岩だ!

原題: The Floor Is LAVA!

ちょっと慣れてきたら面白いやつ。「開始と同時に、フィールドが溶岩で満たされる前に、そのフィールド内で一番高い場所に移動すればクリア」というのを延々とやるゲームです。

それなりにゲーム要素が高く、また課金によって有利になるアイテムもあります。ルールがルールなので飽きるのも早そうですが、暇つぶしにはもってこいかなと。「うまい人についていけば楽に連勝できる」というあたりが、みんなで遊んでいる感があっていいですね。

BedWars

ソロアクションだけでなく PvP もやりたいな、という人にオススメ。Minecraft のようなステージでチェストからアイテムを回収しつつ、お互いを武器で攻撃しつつ倒すゲームです。日本語がほとんどないのが難点ですが、ルール的にはそこまで難しくないので、慣れれば楽しめます。マッチ制バトルというのもあり、多少待ち時間が長い?

BIG Paintball!

ある程度慣れてきたら FPS も。一見すると任天堂のアレっぽいですが、普通に弾を打って相手を倒すだけのシューティングです。雰囲気的には Counter-Strike っぽく、リロードがないので「当たりそうなところに弾を『置いて』いけば当たる」という感じになってます。

ほか、色んなゲームがあります。シム系も多く、街の住民になって過ごせるようなものもあり、ゲームだけにとどまらない体験ができます。

Roblox ってメタバースなの?

Roblox は、しばしばメタバースと表現されることがあります。これはどういうことかというと、

  • 独自の通貨(Robux)がある
  • その通貨でもって仮想空間内で買い物ができる
  • ゲームやチャットなどを通じてコミュニケーションが取れる
  • それらのためのアセットやコンテンツをユーザ自身が作って提供できる

あたりの要素からなるものではないかなと。

Roblox は、米国では「コロナ禍で未成年層のユーザを伸ばした」と言われています。それまで外で遊べていたができなくなった、その代替として Roblox がハマったのではないか、こういった推測です。「今日帰ったら公園に集合な!」が「今日オンライン授業が終わったら Roblox に集合な!」になったといえば分かりやすいかもしれません。

ユーザが仮想空間で現実と同じように遊ぶ(体験は別として)という意味で考えれば、Roblox はおそらくメタバースであろうと思います。それは従来の体験とは別に「遊びながらのコミュニケーションですら、プラットフォーム上で同時にできる」というあたりが、この言説を正論たらしめているのかなと。

Roblox は未成年にオススメできるか?

ゲームプラットフォームの宿痾とも言うべきか、残念ながら Roblox も完璧に安全なプラットフォームではありません。

今のところ日本国内の事例は無さそうですが・・・。

ただまぁ、結局のところ「チャットでのやりとり」や「安易なフレンド登録」といったところが問題の原因になっているきらいはあり、これはどのプラットフォームでも問題になりがちなので、ただログインして適当にゲームを遊ぶだけであれば、ほぼ心配はない、と言ってよいでしょう。

課金要素がそこらじゅうにちりばめられていますので、課金はしたくなるかと思われますが、ひと月いくらの固定額で Robux を買えるプランもありますし、なんなら自分で Robux を稼ぐように頑張ってみても面白いかもしれません。

おわりに

というわけで Roblox を「しっくりくるように説明」してくれているサイトが無さそうだったので、自分なりに書いてみました。

Roblox は、Steam のような類似のプラットフォームを既に経験しているかどうかで印象が全く違ってくるタイプのプラットフォームだと思うので、同じような人の理解の一助になれば幸いです。